やる気の教科書5:やることに押し潰される日

【「先生、やる気が出ないです」そんなときに試せる、やる気の総合ガイド】


今回のポイント…やることに圧倒されそうなときの考え方

やる気の教科書1:やる気はやるときに出る

やる気の許可書2:他人の目とやる気の関係

やる気の教科書3:耳とやる気の関係

やる気の教科書4:時間とやる気の関係

→やる気の教科書5:やることに押し潰される日

やる気の教科書6:やる気とステーキの関係

やる気の教科書7:完璧主義とやる気

やる気の教科書8:自分だってほめてやれ

やる気の教科書9:やる気を奪う元凶No.1

やる気の教科書10:再びやる気とステーキの関係

やる気の教科書11:それでもやる気が出ないとき

やる気の教科書12:結局やる気って何なんだ






  • マルオ:やることが多すぎるかもしれない高校生

  • 先生:やってないことが多すぎるかもしれない先生


先生:目標はとりあえず目先のことから決めればいいんじゃないかな


マルオ:どういうことですか?



先生:目標は、本来は長期目標から考えるべきだよね。長期目標から中期目標、短期目標に落とし込んでいくわけだ。 えーと、マルオ君の長期目標は何だっけ?



マルオ:それ今言っちゃうと後々設定的にややこしくなる気がするんですけど、仮にC大学あたりってことにします。



先生:たしかに。まあ、仮にC大学のHSK学部としよう。仮に。



マルオ:結構絞ってきましたね。



先生:で、C大学HSK学部に入るには偏差値が60ぐらい必要だ。マルオ君の今の偏差値はどれぐらい?



マルオ:学年すら特に決めてないんであれですけど、仮に54ぐらいにしとけばいいですか?



先生:うん、なかなかリアリティある数字だな。 さて、偏差値54から60にどうにか持っていくには、どうするればいい?



マルオ:そうっすねえ、まず英語をどうにかしなきゃいけないっすよね。英文法の怪しいところを復習して、単語を覚えて…語法とか熟語もあんまり覚えられてない。読解の練習もまだまだ足りないし、あとC大学だと英作文なんかも練習しなきゃいけないんじゃないすか?



先生:ふむふむ。ほかの教科は?



マルオ:次に数学っすかね。まずはIAIIBで忘れちゃってるところ総復習って感じ。指数対数とベクトルは苦手なんで練習多めにやって、整数は基本的によくわかんないままここまで来ちゃってますね。 それに全体的に応用問題をあんまりやってないから、二次試験の数学解ける気がしなくって…



先生:なるほどなるほど。 国語、社会、理科もまあ、似たような感じだろうから省略! さ、というわけでマルオ君はどうすればいいだろうか?



マルオ:うーん…



先生:特にマジメで目標もある程度はっきりしてる生徒に多いのが、この状態。 「やること」に圧倒されて逆にやれなくなってる状態



マルオ:なるほど…たしかに何をやればいいか考えるほど、何をやったらいいのかわからなくなる気が…!



先生:だからまあ、そういう状態のときは考えない



マルオ:考えない。



先生:そう、考えない。 とりあえず目先のやることだけ考えてみる



マルオ:たとえばどんな感じっすか?



先生:たとえば、「とりあえず単語帳を1冊覚える」「とりあえずチャートのLv.3問題を全部解く」 みたいな感じ。 いったん他のことは置いておく。



マルオ:それだけでいいんですか?



先生:いいや、よくはない。



マルオ:やっぱり?



先生:それだけやってれば受かるもんでもないからね。 でも単語とかチャートとかなら、多少は成績も上がるだろうから、まず無駄になることはない。 それしかやらないんだったら時間もそんなにかからないし。

とにかくやりきったら、次にそれを使ってできることを考える



マルオ:それを使って、とは?



先生:単語を一通り覚えたら、何ができるようになる?



マルオ:長文練習あたりっすかね。



先生:そうだね。 それに熟語や語法を覚えてみるとかでもいいんじゃないか。

じゃあチャートのLv.3問題を一通り解けるようになった、と。 何ができる?



マルオ:そうっすねえ、センター数学とか、少し易しめの二次試験の問題なんかトライできるかな…? C大学の数学、ちょっと難し目だから、チャートのLv.4問題に行っても良さそうっすね。



先生:そうそう、そんな感じでひとつ足がかりができれば、そこから少しずつ広がっていくじゃん? こういう風に、できるようになったことから先々を考えていく方式を「ルート型」と呼ぶ。 上(現在)から下(未来)に向かって枝分かれしていくから「root」。 ルート型の根本には、今すぐできて、それにだいたい何にでも役に立つことが入る。 英語なら、まあ単語だな。





マルオ:なるほど。



先生:その逆に、一番先の大きな目標から今やるべきいろいろを逆算する方式が「ブランチ型」。下(未来)から上(現在)に向かって枝分かれしていくから「branch」 。 ブランチ型の根本には、もちろん最終的に達成したい目標を入れる。






マルオ:なるほど。 そんな用語があるんすね。



先生:いや、知らん。 今呼び名を思いついた。



マルオ:…まあ、わかりやすくていいと思います。 ふつう目標を立てるっていったらブランチ型ですよね。



先生:そうだね。ブランチ型のほうが効率はいいよ。 ルート型でやることを決めていくと、必ずしも効率的じゃない進行になることがあったり、しばしば必要な部分が抜けたりする。 ブランチ型でやることを決めて、それで実行できている人なら、間違いなくブランチ型でやるべきだ。 だが、ね。



マルオ:あー、実行できている人はそもそもこんなページ見てない、と



先生:うん、まあそうなんじゃないかな。 ブランチ型だとしばしば眼の前のやることが増えすぎて、キャパオーバーになってしまう。 そうすると目標もはっきりしているし、やることもわかっている。 それなのになかなか手が動かない。 いわば、やることに押しつぶされている状態に陥ってしまう。



先生:あー、オレだ…! やんなきゃいけないことはわかってるのにやんなきゃいけないことが多すぎて手が動かないしあれもやってこれもやって自分が前に進んでいける気がしないし…!



先生:そういうときは「やんなきゃいけないこと」を考えるのを、いっそやめてしまうのも手だ。 考えるのをやめて、とりあえず先に進んでみる。



先生:考えすぎて固まってしまうぐらいなら、がむしゃらでもいいので先に進んでみろ、と。



先生:そうすると、ものの見方が変わってくる。 やらなきゃいけないことの前に、できるようになったことが見えるようになる。 やらなきゃいけないことを考えるのは、そのあとからでもいいんじゃないか?



先生:なるほど、たしかにいろいろ考えすぎていて進めなくなってたから、一旦これってひとつ決めて進めてみようかな。 収入がどうとか結婚がどうとかそういうのに向けてあれこれ考えるのは、もう少し先でもいい気が…





マルオ:…途中から先生ひとりでしゃべってますけど。

僕はとりあえず単語と黄色チャートからやってみます。 先生は?



先生:とりあえず、次の記事を書くかな



マルオ:あ、はい





つづく